10. Time Warp US
11月28日 - 11月29日
Kingsbridge Armory
ニューヨーク、USA

ニューヨークのDaily Newsが最近、読者に向けて次のような警告を掲載していた。「ドイツのレイブが、キングスブリッジ兵器工場跡を襲うかもしれない。」“かもしれない”という部分を除けば、彼らはなかなか正しい感覚の持ち主だ。Time Warpは今年の11月、レギュラー陣であるSven VäthやRichi Hawtinらと共にアメリカに初上陸を果たす。ブロンクスを舞台に開催されるフェスティバルには、地元ニューヨークからはAnthony ParasoleやNo Regular Playの出演も決定しているほか、ローカルパーティーのBlkMarket MembershipやResoluteのレジデント陣も参加する。更に、DixonやDJ Tennisといった世界的な人気を誇るDJ達も登場するなど、Time Warpというフェスティバルのパワーを存分に体験できる2日間となりそうだ。

RA pick: Frank and Tony（Francis HarrisとAnthony Collinsによるユニット）による繊細なサウンドと、他のアーティスト達による大箱向けの音楽がうまい具合に相殺されるだろう。

09. Creamfields Buenos Aires
11月8日
Autodromo de Buenos Aires
ブエノスアイレス、ブラジル

ブエノスアイレスは以前、グローバルなダンスミュージックマーケットとは無縁の街だったのだが、ここ数年で変化が訪れている。まず最初にULTRA、その後はTime Warpを招聘した。しかしその両者が、このブラジル首都で長年開催されているフェスティバルCreamfieldsの人気を凌ぐには、まだまだ時間がかかるだろう。13時間に渡るこのレイブは、ブエノスアイレスのハウス/テクノファンにとって参加必須のイベントだ。そして、今年も例年通り安定のラインナップである。ヘッドライナーのRichie Hawtin、Sven Väth、そしてSolomunの3人が3年連続で出演するほか、数多くの中堅アーティスト達（Tale Of Us、Art Department、Maya Jane Coles、Maetrik、Guy Gerber）がプレイ。更に、BaremやHernan Cattaneo、Franco Cinelliを始めとする地元のアーティスト達も登場する。

RA pick: いつだってファビュラスなHercules & Love Affairによるライブショウが、フェスティバルの中で絶妙なバランスを取ってくれるに違いない。

08. Subsonic Music Festival
12月5日 - 12月7日
Riverwood Downs Mountain Valley Resort
モンカーアイ、オーストラリア

Subsonicは元々サイケデリックトランスとダブのフェスティバルであるが、スタート以来6年間かけてじっくりと、ハウスやテクノ、その他のダンスミュージックを取り入れてきた。オーガナイザー陣は今年、過去に例がないほど大胆なブッキングに挑戦したようだ。注目のライブアクトとしてJames Holden、Factory Floorが登場するほか、Mike Huckaby、Ellen Allien、Eli Verveineをはじめとする最高峰のハウス/テクノDJ陣の出演が現在までに発表されている。耳の肥えたクラウドと、最高の天気（となることを祈ろう）、そして美しいキャンプ場（フェスティバルの会場は、雄大なリバーズウッドダウンズマウンテンヴァレーリゾート内に建設される）で開催されるフェスティバルに参加するあなたは、きっと素晴らしい体験ができるに違いない。

RA pick: Factory Floorがオーストラリア国内でライブを披露するのは今回が初めてとなる。

07. Iceland Airwaves Festival
11月5日 - 11月9日
Various Venues
レイキャヴィーク、アイスランド

Iceland Airwavesのラインナップには、非常に多くのローカルアーティストが名を連ねている。しかし、今年で15年目となる同フェスティバルは、まぎれも無くインターナショナルなイベントだ。多方面で活動するDJ Tomas Barfodや、ジャンルレスな南アフリカ発のバンドJohn Wizards、そしてNguzunguzuによるカッティングエッジなエレクトロニクスと、世界各地の魅力的なタレント達が数多く参加。さらに、何組かのスターアクトの出演も決定している。Caribouが最新アルバムを引っ提げて登場するほか、Kelelaがお得意の前衛ポップを披露、そしてグループ活動最後のツアー開催を控えたThe Knifeが観客をアッと言わせるだろう。音楽の為だけにレイキャヴィークまで足を伸ばすのが億劫？アイスランドの素晴らしい自然の輝きを忘れてはいけませんよ。

RA pick: The Knifeによる超変てこなライブショウが見られなくなる前に、是非一度体験してみてほしい。

06. I Love Techno
11月8日
Flanders Expo Center
ヘント、ベルギー

I Love Technoは、20年以上の歴史の中で確固たる信頼を築き上げてきた。参加者には、次の2つのことが確約されている。間違いないフェスティバル体験、そして膨大な数のトップDJやライブアクトによるパフォーマンスだ。後者に関しては、今年は特に強力であり、ベテランレイバーのUnderworldが、Ten Walls、Paula Temple、そしてUKチャートトップのClean Banditらと共演する。また、DJブースには、ILT初出演組のLoco Dice、Jamie Jones、Rødhådのほか、Jeff MillsやDave Clarkeらテクノの大御所が登場する。

RA pick: Erol AlkanとDaniel Averyの対決は、数ある見所の中の1つだ。

05. Time Warp Netherlands
12月6日
Jaarbeurs
ユトレヒト、オランダ

Time Warpはドイツ発祥の老舗フェスティバルだが、オランダに定着するのにもそれほど長くはかからなかった。その理由は、同フェスティバルのユトレヒトでのオフシュートが、マンハイムで20年間に渡り開催されてきたレイブの単なる再現ではなかったからであろう。ラインナップには、Time Warpというブランドを固めてきたレギュラー陣より、Ricardo Villalobos、Monika Kruse & Karotte、Chris Liebing、Sven Väthら多くのアクトが登場。そしてそれだけではなく、Job Jobse、Nuno Dos Santos、Detroit Swindleを筆頭とする地元オランダの強力アーティスト達が、このイベントを単なる再現以上のものとして完成させているのだ。更に、スペシャルゲストとしてDJ Tennis、Maya Jane Coles、Karenn、そしてRobert Hoodらがプレイするこのマラソンパーティーに、参加しない手はないだろう。

RA pick: BerghainのレジデントであるMarcel FenglerとFunctionが待望のペアを組み、B2Bセットを披露する。

04. Strawberry Fields
11月21日 - 11月23日
Victorian Bush
メルボルン、オーストラリア

Strawberry Fieldsは、オーストラリア発祥の“bush doof”の良い例だ。“bush doof”とは、オーストラリアの僻地（bush）で開催される野外ダンスパーティーの通称だ。ニューサウスウェールズ州で開催されるSubsonic同様、メルボルンの都心から北へ約4時間移動した苺の産地を舞台に開催されるStrawberry Fieldsは、スタート当初はサイケデリックトランスのイベントであったが、徐々に幅広いジャンルのフェスティバルへと展開してきた。主催者は、今年のラインナップを少しずつ焦らしながら発表している。ニューカマー（Max Graef、HNNY）とベテラン（Seth Troxler、Ame、Pachanga Boy、Trus'me）を織り交ぜた、ハウスとテクノメインの内容となりそうだ。

RA pick: Seth Troxlerがオーストラリアの奥地でプレイ。なかなかいい響きだ。

03. Rewire Festival
11月7日 - 11月8日
Various Venues
デンハーグ、オランダ

Rewireはまず何よりも、音楽の多様性が特徴のフェスティバルだ。今年に関しては、ヴェニューのチョイスにまでその精神が表れている。デンハーグの街で最古の建築物である豪華な教会Grote Kerkや、築100年の発電所Electriciteitsfabriekなど（それ以外の伝統的な音楽スペースについてはここで触れるまでもない）、2日間というフェスティバルの開催期間中、音楽に没頭できる場所が街の至る所に出現する。また、Lee GambleやKode9、Bohren & Der Club Of Goreなど、幅広いアーティストが音の響宴を繰り広げる。Rewireの参加者は、お腹いっぱいで家路に着くことができるに違いない。

RA pick: James Holdenのライブは、いつ見ても特別なご褒美のような気分にさせられる。

02. Le Guess Who??
11月20日 - 11月24日November 20 - November 24
Tivolivredenburg
ユトレヒト、オランダ

ユトレヒト発のフェスティバルLe Guess Who??は年々その規模を広げており、今年は15カ所ものヴェニューにて、アトラクションや、インディーとエレクトロニックのラインナップが巧妙に組まれている（Bonnie Prince BillyとAutechreの名が並んでいるイベントが他にあるだろうか？）。また、8回目の開催となる今年は、例年にも増してスペシャルな内容となっており、Swansの中心メンバーであるMichael GiraのキュレートによるMouth To Mouthには、SavagesやPrurient、Silver Applesといったノイズメーカー達が出演する。ユトレヒトのような美しく趣のある街を訪れるのに、Le Guess Who??は打って付けの機会だ。そして、2014年のフェスティバルは、どの面から見ても過去最高の内容となるだろう。

RA pick: Swansですよ、皆さん。耳栓を持参するのをお忘れなく。

01. Alfa Mito Club To Club
11月5日 - 11月9日
Various Venues
トリノ、イタリア

1年のうちの1週間、イタリアの街トリノは、ヨーロッパの中で最も活発な最先端のエレクトロニックサウンドのハブとなる。その要因はもちろん、Club To Clubだ。同フェスティバルは5日間に渡り、工場跡地を改築したウェアハウスや、美しいTeatro Carignanoをはじめとする歴史的な劇場など、街全体のヴェニューを巻き込んで開催される。更に、実験音楽やレフトフィールドポップ、直系クラブサウンドなどのドットを繋ぐ、素晴らしいDJやライブアクトが集結する。今年は特に幅広いラインナップとなっており、CaribouやApparat、Ben Frost、How To Dress Wellらがライブパフォーマンスを披露するほか、DJとしてはMarcel Dettmann、Miles WhittakerことMiles、Tiger & Woodsらの出演が決定している。

RA pick: Ben UFOとL.I.E.S.主宰のRon MorelliによるB2Bだなんて、興味をそそられないわけがない。

11月と12月に開催される世界各地のフェスティバル一覧は、こちらからチェック。