10. Cape Town Electronic Music Festival
2月5日 – 2月7日
複数のヴェニュー
ケープタウン、南アフリカ共和国

多くのフェスティバルは、その街や地域にエレクトロニックミュージックを紹介する役割を果たしている。その点において、Cape Town Electronic Music Festivalほど活気に満ちた催しは、数少ないだろう。2012年にスタートして以来、CTEMFは、現在成熟しつつあるケープタウンのエレクトロニックミュージックシーンと、世界のダンスミュージックコミュニティの橋渡しをする重要な役割を果たしてきた。開催期間中は、ケープタウンの象徴であるシティホールを会場とする2日間のメインフェスティバルに加え、街のあちこちでクラブイベントが行なわれる。更に、3日間に渡り繰り広げられるワークショップやショウケースは、世界中のエレクトロニックアーティストと地元南アフリカのアップカミングな才能の持ち主たちの交流の場となる。フェスティバルの開催は数ヶ月先の為、ラインナップはまだ一部しか発表されていないが、現時点ではGoldieやNightmares On Wax、SubClubのHarri & Domenicといったインターナショナルアクトの出演が決定している。

RA Pick: Rude Boyzが、南アフリカ発祥のハウス“gqom”の賑やかなサウンドを聞かせてくれる。

09. St Jerome's Laneway Festival
1月30日 – 2月14日
複数のヴェニュー
複数の国

Lanewayは、オーストラリア国内において重要な役を担っている。ニュージーランドやシンガポールでのサテライトイベントも展開するこのツアー型フェスティバルは、インディーキッズにダンスミュージックを紹介し、逆にダンスミュージックファンにインディーミュージックを紹介する、音楽のるつぼのようなイベントである。2016年も、例年同様素晴らしいプログラミング。メインアクトは、GrimesとQTというダンスポップシーンの中でも異色の存在の2組と、HEALTH、Battlesをはじめとするエクスペリメンタルバンド。また、Lanewayの魅力の1つである、厳選されたロケーションにも注目だ。例えばシドニーでは、砂岩でできた建物があちこちにある、シドニー大学美術学部の美しいキャンパスが最高のフェスティバル会場になる。

RA Pick: 2度目のオーストラリア・ツアーとなるSOPHIEが、ソロアクトとして、そしてQTとして登場する。

08. Sugar Mountain
1月23日 – 1月24日
Victorian College Of The Arts
メルボルン、オーストラリア

2010年にフォーラム劇場で産声を上げたSugar Mountainは、現在メルボルンにおいて最も勢いがあり、特徴のあるイベントとして人気を集める。美しい佇まいのヴィクトリア芸術大学のキャンパスを強烈なヴィジュアルアートで彩る同フェスティバルには、多種多様なラインナップを求め、あらゆる音楽ファンたちが詰めかける。2016年の開催では、Dâm-Funkのモダンなファンクサウンドをはじめ、Kelelaの魅力的なR&Bヴォーカル、Hot Chipによるインディーエレクトロニックのライブ、Tim Sweeneyによるスペースディスコヴァイブ、そしてJulio Bashmoreによるベースの効いたハウスなどが楽しめる。

RA Pick: Harvey Sutherlandのフルライブバンドは見逃し厳禁だ。

07. Igloofest
1月14日 – 2月6日
Jacques-Cartier Quay
モントリオール、カナダ

モントリオールで最も寒い時期である、1月と2月の4週末に渡り開催されるIgloofestは、いわゆる都市型フェスティバルとは少し違う。オーガナイザー陣は、氷点下の気温を敵に回すのではなく、むしろそれを喜んで受け入れており、週ごとにスキーウェア・コンテストを開いたり、どんな天気だろうが思わず踊りたくなるようなラインナップを組んで、大勢のオーディエンスたちを楽しませる。10回目の開催となる今年のラインナップは現時点ではまだ発表されていないが、国内外のテクノ、ハウス、ベースミュージックなど様々なシーンから数多くのアクトが登場すると見られる。

RA Pick: Igloofestはド派手なフィナーレを迎えることが多いので、あなたが持っている1番ケバケバしいスキースーツは最後の夜に取っておくことをオススメする。

06. Astropolis L'Hiver
1月18日 – 1月23日
複数のヴェニュー
ブレスト、フランス

Astropolisの大きな強みの1つは、そのクラウドだ。過去4年間に渡り、同フェスティバルのウィンターエディションは、フランスの大西洋沿岸の端に位置する工業港の街、ブレストのクラバーたちに、ピンと張りつめた寒さから逃れ屋内でパーティーをする機会を提供してきた。港に隣接するLa SuiteやLa Carèneといったヴェニューは、Astropolis l'Hiverの期間中、両手をガッチリと握った彼らの汗と熱気に満ちた空間となる。2016年のラインナップも、同フェスティバルのレイヴ精神に忠実な内容だ。Laurent GarnierやLevon Vincent、Randomerによるフルスロットルのセットに期待しよう。

RA Pick: Ron Morelliによるタフで荒々しいテクノは、Astropolis l'Hiverにとって究極のサウンドトラックになりそうだ。

05. Sónar Reykjavik / Sónar Stockholm
2月18日 – 2月20日 / 2月26日
Harpa / Stockholm Waterfront Congress Centre
レイキャヴィーク、アイスランド / ストックホルム、スウェーデン

バルセロナのSónarは、ヨーロッパ圏内最大クラス、かつ最も挑戦的なフェスティバルだ。カタルーニャ外でのサテライトイベントは、それと比べると規模こそ小さいものの、ブッキングは引けを取らないほど大胆。2月にスカンディナビア半島の2都市で開催されるSónarには、クラブミュージックの人気DJをはじめ（Ben UFO、Rødhåd、The Black Madonna）、厳選されたライブパフォーマンス（Holly Herndon、Floating Points、Oneohtrix Point Never）、カルト的な人気を誇るアーティスト（James Pants、Yung Lean）、そして地元のアップカマーたち（スウェーデンのToxe、アイスランドのBjarki）がラインナップされている。バルセロナのような太陽の光は期待できないが、Sónarが北の地にたくさんの熱気を運び込む。

RA Pick: 壮大なショウが得意のSónar。レイキャヴィークで行なわれる、LoneとヴィジュアルアーティストKonx-om-Paxによるライブステージは要チェックだ。

04. Bugged Out Weekender
1月15日 – 1月17日
Butlins Resort
ボグナーレジス、UK

イギリス人の言うウィークエンダーというのは週末旅行であり、彼らにとって特別な楽しみだ。それは時に、音楽フェスとして開催されることもある。例えば家族連れに人気の遊園地に大勢のクラウドが集まり、日常から開放された彼らは3日間に渡りお祭り騒ぎを続ける。UKの重要パーティークルーBugged Outは2012年からウィークエンダーを開催しており、世界各地のトップDJたちを招聘し、ボグナーレジスのButlins Resortでワイルドな週末を繰り広げる。5回目の開催となる来年は、例年同様国際的なスターや（Armand Van Helden、Âme、Kerri Chandler）アンダーグラウンドのヒーロー（The Black Madonna、Gerd Janson）、UKの人気者（Joy Orbison、Erol Alkan、DJ EZ）の出演が決定している。

RA Pick: これほどハウスとテクノに重点を置いたラインナップの中では、MumdanceとNovelistによる現代グライムがより一層スリリングに聞こえるはずだ。

03. CTM
1月29日 – 2月7日
複数のヴェニュー
ベルリン、ドイツ

良いパーティーにおいては、エレクトロニックミュージックがサウンドトラックのような存在にすら感じてしまうこともある。CTMの参加者が最高の時間を過ごせるのは明らかだが（Honey Dijonがラインナップされているだけでもそれは間違いない）、このベルリンが誇るエクスペリメンタルミュージックフェスティバルほど、クラブライフにおける音楽以外の思慮に富んだ面が見えるイベントは数少ない。その魅力のうちの1つはプログラミングなのだが、Rabih Beainiがキュレーターの1人として参加する今年は、更に期待大だ。また、CTMのブッキングセンスは実にユニークであり、Peder Mannerfelt、Fis & Rob Thorne、Aïsha Deviなど、他では見られないようなパフォーマンスを体験することができる。更に、フェスティバルの会場の1つにはBerghainが決定している。同クラブの中でも、1年で最もエッジの効いた夜になること請け合いだ。

RA Pick: Lena Willikensのアドベンチャラスな選曲は、CTMに完ぺきにフィットするだろう。

02. Let Them Eat Cake
1月1日
Werribee Park
メルボルン、オーストラリア

フェスティバルとダンスイベントのことになると、オーストラリアの新年はマッシブだ。来年で5年目を迎えるLet Them Eat Cakeは、パーティーが乱立する中で成功する為には、ディテールに重点を置かなければならないということを証明している。地元民によるフードやドリンクの屋台、色鮮やかなアートインスタレーション、手の込んだステージデザイン、草木が青々と茂ったWerribee Mansionの公園スペース（メルボルンの中心部から約30分程の距離に位置する）、そして思い思いのコスチュームをまとったクラウド。全てのオペレーションが、クオリティと退廃主義に基づいている。もちろん音楽も重要だ。今年のラインナップにも、Ben UFO、Âme、Four Tet（この3組はRAステージに出演する）、Jon Hopkins、Motor City Drum Ensembleなど、世界のトップレベルのエレクトロニックアーティストたちが名を連ねている。

RA Pick: デトロイトのヒップホップレジェンドSlum Villageが、メルボルンの人たちにとってスペシャルなお年玉になる。

01. The BPM Festival
1月8日 – 1月17日
複数のヴェニュー
プラヤ・デル・カルメン、メキシコ

真冬に飛行機から降りた時に、カリブ海の爽やかな潮風がなびく完ぺきな天気が待ち受けてたとしたら、どんなに最高だろうか。しかし、BPM Festivalが素晴らしいフェスティバルである理由は、これだけではないのだ。メキシコのリゾートタウン、プラヤ・デル・カルメンを舞台に、10日間に渡り数々のシーサイドパーティーが渡り繰り広げらるBPMは、有り余る程の魅力を持っている。SashaやDubfireといった大スターから、Midland、Job Jobseらアンダーグラウンドの人気者など、100組以上のDJの出演が既に発表されているが、なんとこれはまだ第1弾ラインナップなのだ。多くの人たちにとって、プラヤ・デル・カルメンは決して近場の旅行先とは言えないが、それでも彼らは、毎年繰り返しこのフェスティバルに参加する。その理由は容易に想像出来るはずだ。

RA Pick: 哀愁を帯びたグルーヴがお得意のLee Burridgeは、過去数年間のBPMにおけるハイライトだ。